2014年11月4日火曜日

iDempiere Price List Schema 再び その3

ちょっと長くなってしまいましたが、Price List Schema の話はこれで最後になります。

Price List Schemaは一律で価格を改訂できるという話をしてきました。
実際の価格改定は様々なカテゴリーや、個別製品など柔軟に価格を付け替えられる必要があるます。しかもできるだけ工数をかけずに。

下の例を見てください。
例えば下図の様に価格改定をしていとします。
Version "Initial" は登録済みとします。
これを Version "2014" と Version "Campaign" の新価格を作るものとします。




(実際にはこんな面倒な方法は取りませんが、)Price List Schema の登録方法の一つは下図のように、製品一つ一つの改定率を登録する方法があります。









しかし、同一の価格改定率のものがあれば、これをまとめられれば新価格の作成が楽になります。
 Prie List Schema "Japan 2014" の新価格の考え方は以下のようなものだとします。
1:2014年の価格は、Camera は基本3% 下げよう
2:Portable(PB) は競合が下げて来たので 5%まで下げざるを得ない
3:Portable の 製品 C001 と、HighEnd(HE) の製品 C004 は売り上げの落ち込みが激しく在庫処分をするため10%価格を下げよう。

また、クリスマスに向けたキャンペーンとして以下のように考えたとします。
1:クリスマス商戦は一律2%値下げする。
2:HighEnd(HE)は利幅に余裕があるので思い切って5%値下げをする。


これを Price List Schema をうまく利用すると以下のようなわずかな設定で済みます。


このように製品のカテゴリー分けと、値付けのポリシーがある程度リンクしていれば、製品数が多い場合でも現実的な工数で価格の付け替えができます。

実際の影響範囲の指定場所 Price Schema Line の Reference です。
ここで新たな価格を反映させたい範囲を指定することで、製品単位にしてもできますし、製品カテゴリー単位でも、仕入れ先単位でも指定可能です。


ただ、新価格の適用の順番には気を配る必要があります。

上の例で Price List Schema "Japan 2014"では Category "Camera"/ "PB" Product "C001" が階層関係になっています。これを制御するのが Price List Schema -> Schema Line のSequence です。
数値が小さい順に実行されます。

つまりさきほどの例では
Camera  3% down   ->   Portable  5% down  -> C001  10% down という順番に実行すれば意図した価格になります。
もしこれが
C001  10% down ->   Portable  5% down -> Camera  3% down と実行したらどうなるでしょう。
単純に計算結果が上書きされるため、 Camera が一律 3% down になっておしまいです。

価格改定に影響する範囲と順番には気を使う必要があり、場合によっては混乱の元になるリスクもありますので、取り扱い品目数や価格改定の頻度など考慮して業態に合った価格改訂の方法を取るべきだと思います。
製品個別に価格改定することは決して間違えていません。手に負えない作業ボリュームの場合にこのような一律変更の方法を検討すべきでしょう。



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