2014年11月2日日曜日

iDempiere Price List Schema 再び

Price List Schema について動作を確認してみました。
今ひとつピンと来ていなかったのですが、やってみればなるほど。。。

取り扱い品目数が多く、かつ価格の改訂が多い企業にとっては、ちゃんと使いこなせれば強力なツールですね。

顧客や製品などの階層構造・関係性を完全に把握しきれていない場合などは意図しない値付けをしてしまったりするリスクがあるかも。(そんな人に値付けの権限与えちゃ行けませんが、、)


運用はとりあえず置いといて、、、内容は。。。

以前おぼろげながら想像していた通りであったのですが、今回メニューの構造を整理してみました。



iDempiereでは価格を決めるために Price List という単位があります。
ここでの例として "Japan" や "US" などを考えてみます。
他にも "Tier1""Tier2"などであったり、1物に複数の価格体系が必要な場合はこの Price List を追加することができます。
(この例でも為替のために使う意図ではなく、日本やアメリカで現地の人気や競合他社の値付けを考慮しながら戦略的に価格決めることを意図しています。)

Price List は 複数のVersion を持つ事ができます。
ここでは "Initial","2014","Campaign" を定義しています。それぞれの意味は
Initial : 製品の初期価格設定
2014 : 2014年度の改訂価格
Campaign : クリスマスなどの期間限定の特別価格

(実際には業界や会社によってどのようなタイミングで価格のベースを改訂するのかによってVersionを考慮すべきでしょう。)

Product の登録時に詳細情報として Price を登録しますが、このときにどのVersionに価格を登録するのかを選択します。
今回はすべての製品をPrice List -> Version "Initial"に価格を入力しました。

実は、ここで登録する価格は、 List Price, Standard Price, Limit Price の3つがあります。
それぞれ 定価、通常売価、限界利益売価といったところでしょうか?
話をわかりやすくするために、ここでは価格と言った場合、Standard Price のみについて話を進めます。List Price, Limit Price についても考え方は同様です。

Price の登録方法で最も単純なのは、Product の詳細情報として Price を個別に設定することができます。とても自然な価格設定の流れです。

Product 画面を出すのに、これまで通り メニューから辿ることもできますが、検索Box に直接 "product" と指定する方法もあります。また、左のFavourites ウィンドウから選択しても良いでしょう。(Favourites ウィンドゥへの登録方法はまた後日)

Product 入力画面が表示されると下の詳細項目エリアのタブの一つに Price タブが表示されます。Price タブを選んで、New (新規追加)ボタンを押すと、 その製品の価格( List Price, Standard Price, Limit Price )が入力できる画面に移動します。ここで必須入力となっているのが Price List Version です。ここでの例は Version として"Initial" を作成し、そこに登録する形にしました。








ここまでの説明で先ほどの下図の青枠の部分となります。
まず価格体系単位で Price List を登録し、Version によって一括して価格を切り替えることを可能にします。


次に Price List Schema の必要性を説明しなければならないのですが、もちっと Version の話を続けます。

上図の例では Portable 1 の価格は Version "Initial" では ¥10,000- ですが、2014年の価格改定で¥9,500- としています。
価格をダイレクトに Product -> Price -> Version に指定することが可能です。わざわざ 5% とか、3%とかから算出する必要もありません。

しかし、取り扱い品目が 100種類を超えて来たら結構な工数です。

このため値下げ率を決めておいて、機械的に価格を算出・改訂する方がまだ現実的です。
値下げ率は個別の製品により決める必要があるかもしれませんが、たいていは1%  とか 2% とか同じ率のグルーピングであるはずです。



このような価格変更のルールを定義してあるのが Price List Schema です。
これだけ聞くとたいした話ではありませんし、必要性もまだ感じられないでしょう。このあたりは次に掘り下げたいと思います。

ここで理解すべきなのは、価格を一括して切り替えるPrice List Version は各 Product 毎に価格を一つ一つ登録することもできるし、特定の価格改定率(Price List Schema)で一気に価格を変更し新たなVersionとして新価格を保持することもできるということです。

一括変更の具体的なやり方は、例えば上図の Version "2014" にはそのパラメータとして Base Price List : "Initial" とPrice List Schema : "Japan 2014" を定義しておきます。

この定義での動作をProduct "Portable 1" を例に説明すると、
Version "2014"は、Version "Initial" の Portable 1 / ¥10,000- を ベースとして、 5% ダウンと定義してある Price List Schema "Japan 2014" を掛け合わせた価格を、Version "2014"の新しい Product "Portable 1"の価格とするということです。
新しい価格の生成タイミングはバッチです。 Version の登録画面に Create Version の実行ボタンがあり、このボタンを押す事で自身のVersionの Price としてあらたに算出・生成します。

この一連のパラメータとアクションが下の画面です。

Price List -> Version を新規作成します。
 Name は 2014 です。

Price List Schema : "Japan 2014"
Base Price List : "Initial"

ここまで入力し、 Create Price List ボタンを押すと新たなバージョンの価格が生成されます。

実際はProduct List Schema は製品の価格改定率を全数指定するわけではありません。
製品カテゴリーや顧客など、様々な単位を組み合わせて必要な新価格を最低限の手間で生成することができます。
この考え方は次回書いてみたいと思います。

--------------後日追記--------------
実はここまで販売品目ばかり考えて書いてきたのですが、
購買品目の登録では、初期の価格登録は Products の Purchasing に List Price と PO Price(Limit price) を入力します。
この上で Price List で Base Price List を空白にして Create Price List を実行すると Product の Purchasing に登録した価格をベースに Price Listを生成します。

Price List schema に Standard Price Base に Standard Price を選択してもList Price を選択しても Purchasing の List Price を参照されるようです。

Create Price List で Price List を生成すると、Products の Price にも生成した情報が出てきます。

このあたりの動きは販売周りでも記述間違えている可能性があるので、後日見直します。





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